2005年06月12日

新競技「パンクラチオン」登場にみる新日本プロレスの危機

                       
新格闘王決定戦「パンクラチオン」開催へ  日本レスリング協会がサブミッションレスリング系世界最強決定トーナメント開催に動き出す。同協会は国際レスリング連盟(FILA)に関節、絞め技を認める新種目「パンクラチオン」を申請し、9月の国際理事会で導入が決まれば、第1回世界選手権(4階級)を来年にも日本で開催する。FILAの国際ネットワークでレスリング、サブミッション系、各国民族格闘技の王者をプロアマ問わず集め、打撃なしの総合格闘技の「五輪」を実現させる。

打撃なしの総合格闘技大会が国際レスリング連盟の主導で世界大会開催の方向へ。

試合形式はADCCに近いスタイルになると勝手に想像。
プロ、アマ問わずのオープンスタイルという思い切りの良さもよし。
これは日本レスリング協会の大英断として評価すべき。
国際レスリング連盟での裁定がどうなるかも興味深いが、競技として認められれば 近い将来のオリンピック正式種目としての採用も期待したい。

さて コレに対するプロレス界。
アマチュア・レスリングでの禁じ手を含んだ技術を体系化したものが「プロ・レスリング」であったはずだが、アメリカ WWEは遠い向こうの世界に行ってしまった中、日本のプロレスというか 新日本プロレスなる老舗団体はエンターテイメントと格闘技の狭間を揺れ動くあいまいな世界。かつて新日本のリング上で見せていた「プロフェッショナル」で強さの象徴であった部分が、どんどん世間的に明確な尺度を持つ世界で繰り広げられてしまう状態が目の前に来ているわけですよ。

かつて アントニオ猪木が自らのプロレスを「キング オブ スポーツ」と呼んで世界最強を自認している幸せな時間もあったわけです。
強さに対して世間的モノサシのない時代のアイデンティフィとしては通用しただろうが、今や、お茶の間的にわかりやすい総合格闘技での強弱をモノサシとした基準にプロレスが測定される時代。

エセ格闘技であり続けるのか 閉ざされたエンターテイメントの世界を追求するのか やせ細る興行収入を目の当たりにしながら、自ら結論を出さなければならない時期が来ているような気がするのは このおっさんだけではありますまい。

前田日明復活に絡む話題で格闘技性を全面に出す新日本系プロレスの将来が明らかにされているような錯覚に陥るものの、今のところ格闘技に対するアンチテーゼというのは未だ実態のないビッグマウスからの若干の発言を除いて新日本側からの発信は何もないわけですね。プロレスにとって唯一の救いは格闘技を表面上意識していない団体であるノアが、黙々とまっとうなプロレスを続けていてくれていることか。

このまま滅び行くジャンル(会社)として迷走を続けながら更にサブカルチャー化していくのか 格闘技と別な世界としての「プロレス」を新たに確立するのか そんな選択を新日本プロレスに迫っているような気がする新競技「パンクラチオン」に関する話題です。

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