2004年12月20日

バーネット プロデュースのアルティメット・ロワイヤルは諸刃の剣

                       
バーネットが世界一危険な試合をプロデュース

“青い目のサムライ”が世界一、危険でリスキーな試合をプロデュース! ジョシュ・バーネットが1.4新日本プロレス東京ドーム大会で行われる「アルティメット・ロワイヤル」(UR)の総合プロデューサーに就任することが20日、発表された。「アルティメット・ロワイヤル」とは、8名の選手が新日本プロレスの総合格闘技ルールであるアルティメットクラッシュルールで1対1を絶対条件に戦い、生き残った選手が優勝する過酷なルール。元UFC王者でPRIDEやK−1のリングで戦っている経験豊富なバーネットですら「最初に聞いたときはこの試合の実現は不可能だと思った」と語るが、新日本プロレスなら「キング・オブ・スポーツ」の名においてこのルールが行える唯一の団体だと確信し、プロデューサーにつくことを決めたという。

■このルールは闘志を持ったハートの強い選手でなければ戦えない
 気になる出場選手は未定だが、バーネットは「このルールは闘志を持ったハートの強い選手でなければ戦えない」と、新日本プロレス本隊のエースである永田裕志、中邑真輔、若手ながらK−1で実績のあるブルーウルフなどの名前を挙げた。蝶野正洋率いるブラックホール軍からは、村上和成、ロン・ウォーターマンの出場もうわさされている。また「どのような格闘技がこのルールに有効なのか分からない。それが逆に楽しみ。いろいろな分野の選手に出場してほしい」と希望を述べた。来年の1月1日まで出場選手を募集する。

確信犯的業界内プロレスヲタ ジョシュさんのおかげで「アルティメット・ロワイヤル」に若干の彩り。
新日本プロレスが格闘色を強めれば強めるほど自己矛盾を内包していることに気がつかなければならないはずなのだが、今の体制で格闘方向に進むのは厳しすぎると自覚している内部の人間がどれだけいるのか。

格闘技版のバトル・ロイヤルであるアルティメット・ロワイヤルは、企画としては十分におもしろい。
いみじくも元週刊ファイト編集長の井上氏が「紙のプロレス」最新号「喫茶店トーク」で述べているが、ケツの決まっていない「プロレス」の試合を可能にし得る唯一のプロレス団体が新日本プロレス。ケツの決まっていない「プロレス」だからこそ格闘技にはできない面白いことが可能だと氏は説く。

いつもケツの決まっている試合をこなしているであろうプロレスラーが、ケツの決まっていない試合(?)アルティメット・ロワイヤルで何を見せてくれるのか、その後に回帰するであろう日常の「プロレス」の試合で何を見せてくれるのか。

プロレスラーの突然変異としての格闘技戦に奇異を感じつつ、単発的勝敗結果に一喜一憂するのももう飽きた。
ジョシュさんのプロデュースの有無に関わらず正月の東京ドームアルティメット・ロワイヤルに課せられたテーマは重いですよ。
井上氏の古い言葉を借りて「新プロレス」への萌芽が見えないならば、WWEばりにカミングアウトしたハードコンタクト版ハッスルしか方向性はないはずの新日本。

とりあえず上井サン亡き後も迷走する新日本を見せ続けられるのはもう沢山。
そろそろ強いものが勝つプロレスを始めましょうよ。

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